丸和工業さんの次に、同市内の七輪メーカーである鍵主工業へ向かう。車で10分ほどの場所だ。工場は結構大きな規模である。丸和工業さんの様な家内制手工業の雰囲気ではない。
鍵主工業さんは切り出しでなく成型品の七輪と、珪藻土の平板を鉄枠でつなげた焼き鳥屋やうなぎ屋用といった、業務用コンロを作っている会社でホームページも持っている。ホームページは同社の若旦那、常務取締役である鍵主哲さんが作っている様だ。
工場前には売店を兼ねた珪藻土資料館があり、通りがかりの観光客も立ち寄っている。館内には珪藻土に関する様々な展示物が並べられており、珪藻土は七輪の原料だけではなく様々な用途があることが分かる。耐火レンガで有名なイソライトもこの工場で作られているそうだ。
この鍵主哲さんはなかなかのアイデアマンで、七輪の良さを皆に知ってもらおうと様々な試みをしている。ホームページもそうだが、缶入りの七輪BBQセットは優れた製品。
これはペール缶と言われる20リットルの容量を持つ丸い缶に、七輪と焼き網、炭、着火剤を入れた製品で、これだけで七輪でのバーバキューが楽しめるという便利な製品。ペール缶は持ち運びにも便利だし、衝撃や水濡れに弱い七輪の保護用としても役に立つ。アウトドア派にはとても便利なパッケージだ。
ひとしきり資料館を拝見した後、鍵主哲さんにお会いし、七輪に関する話をいろいろと伺った。
珠洲市では町興し事業として、珠洲焼きという焼き物をフィーチャーした立派な資料館を持っているが、珠洲焼きと珪藻土とは全く関係が無く、現在のところ珠洲の特産でもある珪藻土および七輪は、行政側からは関心を持ってもらえない状況との事。
珠洲市およびその周辺には、鍵主工業さんや丸和工業さんの他に4社、計6社が七輪を製造しており、丸和工業を含め3社で切り出しコンロを製造している。丸和工業さん以外の2社には後継者がいるので、切り出しコンロが今日明日に廃れてしまう事は無いという事でした。
後継者云々は以前に鍵主さんから伺っていたのですが、わたしには丸和工業の脇田さんに直接この事を聞けませんでした。
鍵主工業さんを後にしてから工場を見せてもらえば良かったと後悔。成型品の製造工程は次の機会の楽しみとさせていただきます。
その後、市内のホームセンターをのぞいてみました。私の経験からするとホームセンターはスーパーマーケットに劣らず地方色を感じることができる場所。
果たして、やはり充実していました。七輪は丸形の成型品が大きさ別に3種類ほど。その他にも角形のものや成型されたコンロを陶製のガワに納められた製品も。これははじめて見る形。また、炭も普通のナラ炭から備長炭まで。消し壺なんかもありました。この地ではこうしたた製品が結構使われているという事ですね。
ちなみにスーパーマーケットでは発見無し。あと、珠洲市には奥能登塩田村という、海水から塩をつくっているところもあります。炭火での焼き物にはおいしい塩は欠かせませんよね。
私たちはこの後、ガイドブックで能登半島の富来(とぎ)町はフォアグラの生産量が日本第2位の町(1位は何処?)とあったのを見つけ「フレッシュなフォアグラを炭火でさっと炙って・・・」と想像(^_^)。遠回りして立ち寄ったのですが、探し方が足りないらしく、残念ながら生フォアグラには巡り会えませんでした。
私の七輪の聖地=珠洲へ旅はこれにて終了、出会いと発見とで充実した一日となりました。もっとも見落とした事も少なくありませんでしたが、それらは次回の楽しみと云う事で。
【後記】
金沢の近くの国道沿いに「七輪屋」というファミリーレストラン風の焼き肉店を見掛けました。開店前だったのでくわしくは分かりませんでしたが、テーブルに埋め込みのガス台は無く、七輪でサーブしている様でした。
七輪の事を関西では「カンテキ」って呼ぶんですって。七輪にも種類は多くわたしが持っている七輪は「品川コンロ」というらしいですし、美濃焼のモノとかもあるらしい。まだまだ深い七輪の世界、精進せねば。
「塩」に興味のある方はたかやまさんのHPをごらんください。塩を作ってみたくなりますよ。
丸和工業さんで見せていただいた切り出しコンロの製造工程は、七輪通信の増刊をご覧ください。