切り出しコンロの材料は珪藻土の塊だ。珪藻土は能登半島の珠洲市周辺で豊富に産出されるが、地中から掘り出さなければならない。現在丸和工業で使用する材料は、地上から坑道を300メートルも進んだ、地下30メートルほどの場所から手堀りで採掘されているそうだ。
珪藻土の塊は粘土の様。ただ固く締まっておりぶつけたら変形せずに割れるだろう。材料は製品に合わせ角形のブロックか円筒形に切り出され、トラックで工場に運び込まれる。(写真: 素材)
七輪通信 1998.08.21
増刊号
切り出しコンロの材料は珪藻土の塊だ。珪藻土は能登半島の珠洲市周辺で豊富に産出されるが、地中から掘り出さなければならない。現在丸和工業で使用する材料は、地上から坑道を300メートルも進んだ、地下30メートルほどの場所から手堀りで採掘されているそうだ。
珪藻土の塊は粘土の様。ただ固く締まっておりぶつけたら変形せずに割れるだろう。材料は製品に合わせ角形のブロックか円筒形に切り出され、トラックで工場に運び込まれる。(写真: 素材)
角形のコンロは手作業で、丸形のコンロは木の器やコケシと同様に、ロクロで外形と内側を削り出される。そして、チェーン鑿(ノミ)という機械で風口(空気の入る下側の穴)を掘ってから空気穴をドリルで開ける。(写真: 外側を削る機械 、 内側を削る機械 、 チェーン鑿 、 加工途中品)
次に行われるのが花切りという加工。コンロの上側の開口部を大型のノミで削り、花が咲いた様な形状にする。丸形は丸ノミで、角形は角ノミで彫られる。これは完全な手作業だ。(写真: 花切り作業 、 角型)
珪藻土は粘土と異なり、削りすぎたりキズを付けると修正が効かないため廃棄されてしまう。工場内には一見何でもない、良く見るとわずかにキズが付いた物が削りクズと一緒に転がされていた。
花切りの後コンロの上下を削り、地面やナベに接する部分を加工して成形は終了である。
成型の済んだコンロは窯で焼かれる。窯はレンガで組まれており、陶器や炭を焼く窯と同じ様な形状だ。コンロのこの中で2昼夜、800度の温度で焼かれる。(写真: 焼成窯)
焼成の終わったコンロは珪藻土の濃い灰色から一変し明るい肌色となっている。桃色がかった健康的な肌色だ。(写真: 焼成後)
しかし、焼成中にヒビが入ってしまうコンロも少なくない。天然の素材であるが為、不純物や材料の不均一によるものであろう。ヒビの検査はコンロを金槌の柄で叩いて行う。ヒビの無いコンロは澄んできれいな音だ。
焼成された物の表面を磨くと、コンロは健康的な肌色から清楚なベージュに容姿を変える。普通はこれが表面となるが、用途によりこれをさらに白く塗ったり、汚れが目立たぬ様に黒く塗る場合もある。(写真: 研磨前後)
最後に金具類を取り付けて完成となる。鉄板の帯を巻いたり、空気窓や取っ手、仕様により足やナベの当たる部分に鋲を打つ事もある。高級品には鉄に代わって真鍮製の金具が使用される。最後に銘板を取り付けて完成だ。(写真: 金具の取付 、 銘板)