C100を永く楽しむために
C100のエンジン
キャブレターの調整
キャブレターの調整は簡単。暖機してアイドリングの回転を低めに調整し、スロージェット用のエア・スクリューを回してみていちばん回転の高くなる様にするだけ。基準値は締め込んだところから1〜1-1/4戻し。マイナスドライバーを手に眉間に皺を寄せつつエンジンの音を聞いていれば、傍目にはあなたも立派なチューナー(^_^) ただし、調子に乗ってキャブをバラしてみるのはちょっと待ってください。C100のキャブはパッキン類の入手が困難なので、下手をするとバラした事でそれまで漏れなかったガソリンが漏れてくる事があるのです。特にON-OFF-RESの切り替えコックあたりから漏れやすいですよ。あと、ピストン等、一部の部品は現行カブの部品が流用できる様です。※先日キャブのオーバーホールキットを入手しました。社外品ですがパッキン、ジェット類ニードル類、アジャストスクリュー類、フロートバルブやスプリング等が一通り入っています。C100用とC105用があります。詳細は
こちらをご覧ください。
ティクラー
C100のキャブレターにはティクラーが付いています。ティクラーはキャブレターのガソリンを溢れ=オーバーフローさせる仕掛けでキャブレターの上部にそのボタンがあります。エンジンが冷えている時、これを数秒間押してエンジンにガソリンを流し込むのです。ティクラーが機能している時は併せてキャブレターのオーバーフローチューブからガソリンが流れ出しますので確認できます。ティクラーをあまり長い時間押し続
けるとエンジン内にガソリンが流れ込み過ぎてプラグがガソリンで濡れ、かえって始動しにくくなったりする事がありますので注意。また、ティクラーはキャブレター内のフロートを直接押していますので強く何度も押したりせず軽くゆっくりと押し下げた方が良いです。ティクラーを使ったエンジン始動は旧車ユーザーだけに与えられた特権ですが、ガソリンの蒸散は自然環境に悪影響を与える事も忘れないで下さい。
エアクリーナー
エアクリーナーは紙製の乾式なので汚れたらブラシで掃除するか内側からエアーで吹くかすればOK。ただし、当時の部品がそのまま付いていた場合、劣化しちょっと触るだけでボロボロと崩れてしまう事もあります。現在ホンダから部品が入手できるかどうか確認していませんが、現行の郵政カブの部品が使えるのではと思います。
ガソリン
C100の時代にはアンチノック性を高めるためガソリンに鉛が添加されており、その鉛がバルブとバルブシートの潤滑の役目も持っていましたが人体に有害で触媒とも相性が悪いため現在のガソリンはハイオク、レギュラー共に無鉛化されています。そのため当時のエンジンに無鉛ガソリンを使うとバルブシートの潤滑不良が起きると言われています。しかし現在はC100を一年で何千キロも乗る方はほとんどいないでしょうからそれほど気を遣う必要は無いでしょう。圧縮漏れがひどくなったらバルブの摺り合わせをすれば済む事。ノーマルエンジンならレギュラーで行きましょう。
オイル
エンジンと同じようにオイルも進歩しています。C100に現代のオイルとガソリンを使うだけで5年分くらいは性能が上がる事でしょう(^_^) 当時は気温15℃以下の時には#20のオイル、15℃以上の時には#30のオイルが指定されていましたので現在のマルチグレードのオイルなら10W-30あたりを入れておけば大丈夫。SF以降、SG,SH,SJ等のグレードは自動車の燃費向上を主たる目的としたカテゴライズなので特に気を遣う必要はありません。ホンダ純正のウルトラUで十分です。ちなみに当時の取扱説明書には500キロごとの交換が推奨されていますが、先日ホンダの技術者の方に聞いたところ現在のオイルをこの様な頻度で交換するのはナンセンスとの事。2000-3000キロあるいは1年に一回で十分ですって。あと、カブはクラッチがオイルに浸かっている湿式ですからモリブデンやテフロン等の減磨材の入ったオイルはクラッチの滑りにつながる可能性があります。
プラグ
当時のC100にはNGKの型番でC7HWが指定されていますが、型番の最後にこだわる必要はありません。レースに使うヒトを別とすればC7H(A)かC6H(A)を付けておけば良いでしょう。デンソー(ND)ならU22FS-Lあたりかしら。ちなみにネジ径10mmのCタイプと言われるプラグサイズはC100用として開発されたモノだと言う話。現在はF-1のエンジンも同じサイズのプラグを使っています。C100の取説にはプラグの掃除方法とか載っていますがこれは当時のプラグの性能とガソリンの質によるもの。現在は掃除なんてほとんど必要ないと思います。
点火時期の調整
ポイント調整の事。現在のバイクのほとんどはCDIかトランジスタ点火なのでこんな面倒な事は必要ありません。しかしこれも旧車の楽しみのうちと思ってトライしてみてください。もっとも、プロに任せようとしても最近の若いメカニックの方は調整方法を知らないかもしれませんね。調整の方法を文章だけで説明するのはムズカシイので
取扱説明書をご覧ください。
取説:ポイント調整
バルブ間隙の調整
バルブクリアランスとかタペットクリアランスと言われているヤツ。現在、バルブクリアランスの調整はプロに任せる事になっていますが、当時はオーナーの仕事だったのです。そのためC100の車載工具には調整用として3ミリと9ミリのレンチ、それに0.05mmのシクネスゲージが入っていました。調整の方法は決して難しくはありませんし間違ってもエンジンが壊れる様な事は滅多にないので試してみてください。ただし、タペット音を気にしすぎるあまり隙間を狭くし過ぎる事には注意してください。暖まった時にバルブが閉まりきらずにパワーダウンの原因となります。隙間は規定値、多少タペット音がするくらいが良いのです。
取説:バルブ隙間調整
クラッチ
C100の遠心クラッチは現在のカブと同じ構造です。不調の徴候として、1.キックの踏み応えがない。2.加速が悪い。3.ギヤを入れた途端にエンストあるいは走り出してしまう。等があげられます。1と2はクラッチの滑り、3はクラッチの切れの不良。こうした時はクラッチを調整してみてください。アジャストスクリューはねじ込むと切れにくくなり、緩めると切れやすくなります。調整してもダメな場合はクラッチ板の磨耗でしょうから交換します。クラッチ板はC50のモノも使えますよ。
取説:クラッチ調整
キックシャフト折損
C100のエンジンはとても丈夫ですが、キックシャフトが折れる事は珍しくはないトラブルの様。キックペダルの取付部分、ちょうどケースから出るところあたりで折れるのです。わたしも何件かこうした事例に遭遇した方から問い合わせを受け、キックシャフトをお譲りした事があります。これはこの部分に曲げ応力が掛かる事と熱処理の影響ではないかと思うのですが、折れてしまうと押し掛け専用になりとてもレーシー(苦笑)直すにしてもクランクケースまで分解しなければならないのでできれば避けたいトラブルです。新品のキックシャフトの入手も現在はムズカシイでしょうからね。こうなると部品取りのエンジンを探す事になるでしょう。
以上、色々と知ったかぶりして書いてはいますが誤り等がありましたらご指摘くださいませ。あわせてご意見や情報等もお待ちしています。
©スギヤマカツヒサ Status: 2000-02-01作成; 2004-05-09改訂
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