ジーンズは本来作業着である。西部開拓時代、ゴールドラッシュに沸くアメリカで砂金掘りのための作業着として創られ、そして使われた。その出自からわかるように耐久性はもちろん抜群である。あの藍色「インディゴ・ブルー」も毒蛇がインディゴの匂いを嫌うため蛇除けの効果を狙って染められたものだそうだ。ジーンズは極めて機能的なウェアなのだ。
そして永らくジーンズは作業着として装飾とは無縁であり続けた。当時、機能と装飾は対極であったのだ。しかし、いつしかその作業着が格好良いモノとして見られる時代が到来した。1950年代だろうか。そのジーンズを格好良く履きこなすキャラクターの筆頭というとジェームス・ディーンであろう。 その後は皆が知っている通りである。LEVISやLeeといった直系のブランドやアメリカ系のファッションデザイナーはもとより、ヨーロッパでもジーンズは受け入れられ、現在は作業着としてもファッションとしても極めてベーシックなウェアとしての地位を確立している。 ジーンズは機能的、普遍的なデザインなのだ。その素晴らしいデザインに目を付けた人々は遊びやファッションとしてジーンズをカスタマイズしていった。しかし、裾を切ったり色を変えたり、汚してみたりプレスラインを入れてみたりしてもジーンズはジーンズでありつづけている。これが普遍性という事なのだろう。 もうお分かりであろう。スーパーカブはジーンズなのである。機能的な道具であり普遍性のあるデザイン、もちろん耐久性は抜群である。カブがダサい、格好悪いと未だに思っているヒトはジーンズを野良仕事用の汚い服としてしか見られなかったジャイアンツに出てくる大人と同じなのだ。 1970年代の終わり頃、スーパーカブのカッコ良さに気付いて乗っていた私は、自身をジーンズの似合うジェームズ・ディーンのつもりでいたのかもしれない(苦笑)