前々回のカブ徒然にタイで売られている排気量110ccのカブ(Nice110)の事を書いた。しかし、タイでは昨年からこれを上回る排気量のカブ型バイクが販売されている。排気量125ccのWave125だ。このWave125のエンジンはユーザーが求めるパワーへの要求に対応するばかりでなく、年々厳しくなる排出ガス規制や騒音規制、そして燃費の向上といった時代の要請に応えるため全く新しく設計されたエンジンだ。
Wave125の写真
これまでのカブ系バイクのエンジンは1958年に発売されたC100の
OHVエンジン(50cc)を基に1965年にC65(65cc)として
OHC化され、その後50cc,70cc,90cc,100cc,110ccと発展してきており、「カブ系」のエンジンと呼ばれてきた。
これらのエンジンは動弁形式や排気量が異なっても、各部の寸法や位置関係に共通点が多く、50ccのエンジンに90ccの部品を使って排気量をアップさせたりする事が可能であり、ユーザーは自分仕様のエンジンを作って楽しむ事ができた。そればかりかこれらはエンジンを車体に取り付けるボルトの位置関係が全て共通なため、50ccのカブに110ccのエンジンを載せてしまう様な改造もできる。やろうと思えば45年前のカブに110ccのエンジンを積む事も可能というワケだ。
しかし、この互換性の高さはエンジンを改良するという面では障害でもある。互換性を考慮しなければならないというのは設計上では制約でしかない。「互換性」を保つため妥協を強いられる事も少なくなかっただろう。
もっとも互換性というのはユーザーが「50ccのカブに90ccのエンジンも載せられる」事を考えたワケではなく、部品の共通化から生産設備の共用といったコスト面での都合であり、設計上の妥協も結局はコストを考慮した結果である。
こうした「コスト」面を考慮しつつも、市場の要求や時代の要請に将来に渡って応えてゆくためには「互換性」という制約を解き払って新しいエンジンを開発する必要に迫られ、Wave125のエンジンが誕生したのだ。
そのためこの新しい125ccのエンジンはこれまでのカブ系のエンジンとは互換性が無く、従来のカブ系バイクにWave125のエンジンを載せる事はできない。そういった面から見るとこのWave125は「カブ系」のバイクとは言えないのかもしれない。
もちろん、Wave125はカブのコンセプトから派生したモデルであり、ソフトの面では現代(新世代?)のカブという事もできる。Wave125がカブであるか否かは人それぞれ。その人にとってカブがどういったモノかによると言えるだろう。
さて、このWave125を当のホンダはカブの生産台数に含めるのだろうか?